社会人になったり結婚したりすると、今まで親任せにしていた季節行事も自分で行っていく必要があります。
そんな季節行事のひとつである「お中元」。
夏に贈るものだってことはなんとなく知っているけど・・・
なんて状態では、恥ずかしい思いをすることになるかも!?
常識ある立派な大人として振る舞うためにも、日本の古き良き風習である「お中元」の基礎知識について知りましょう!
お中元の意味と由来とは?
そもそも「お中元」とは一体何なんでしょうか?
その意味と由来についてご説明します。
中元という言葉は、古代中国の三大宗教のひとつである「道教」の習俗である「三元」に由来します。
ちなみに三大宗教の他のふたつは、「儒教」と「仏教」です。
道教の三元とは「上元」「中元」「下元」からなり、中元の時期は旧暦では7月15日、新暦では8月17日です。
道教では中元の日に神様を祀る盛大なお祭りが行われ、人々は神様へお供え物を捧げます。
一方この時期、日本では仏教の行事である「お盆」があります。
ご先祖様を供養するお盆には様々な儀式がありますが、その中に親や親戚、近所の人などとお供え物をやりとりする「盆礼」というものがあります。
この2つの宗教の習慣が時代が進むにつれ混同されていき、江戸時代以降、夏の時期に品物を贈り合う習慣が「お中元」として定着していきました。
現在は日頃お世話になっている方に、感謝と「今後もよろしくお願いします」という意味合いを込めて品物を贈ることをいいます。
お中元は誰に贈るものなの?
前述したとおり、お中元は日頃からお世話になっている方に感謝の気持ちを込めて贈るものです。
ですのであなたが贈りたいと思った相手なら、誰に贈っても基本的には問題ありません。
一般的には親や親戚、会社の上司や取引先の方、子供の習い事の先生などに贈る場合が多いです。
ですがお中元を誰に贈るか考える際には、以下の点に注意が必要です。
1.今後もお付き合いが続く相手かどうか
お中元には、「これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします」という意味合いが含まれています。
ですので、相手との関係が今後も長く続いていくかどうかをよく考えましょう。
一般的には、結婚を機に義理家族や親戚にお中元を贈り始める場合が多いようですね。
お中元のやりとりを一度始めると、なかなかやめるタイミングが難しくなります。
また一度きりしかお中元を贈らないのは、失礼に当たります。
そういったことからも、お中元は今後も継続的にお付き合いのある相手に贈るようにしましょう。
もしお中元の時期に何かお世話になった相手に品物を贈りたい場合は、のしを「御中元」ではなく「御礼」として贈るといいですよ。
2.相手がお中元を受け取れるかどうか
これはどういうことかというと、職種によっては贈答が禁止されている場合があるからです。
まず国家公務員および地方公務員の方は、利害関係者から金銭・物品の贈与を受け取ることが禁止されています。
利害関係者とは、簡単に言えば仕事相手ということですね。
政治家や役所の職員などはもちろんのこと、国公立学校の先生や公立病院の職員も公務員ですので、お中元やお歳暮は受け取ることができません。
また最近は、一般企業でも会社の規定で贈答を禁止している場合があります。
もし贈った相手がお中元を受け取れない職種の場合、品物は返送されてきます。
相手に返送させる手間をかけさせないためにも、お中元を贈る際には相手の職種にも気を配りましょう。
お中元とお歳暮の違いって何?
お中元と聞くと、合わせて思い浮かぶのが「お歳暮」という言葉。
お歳暮は、年の終わりに一年の感謝を込めて贈るものですね。
お中元とお歳暮は、贈る時期やのしの書き方に違いはあるものの、贈る意味合いは同じです。
どちらも日頃の感謝と季節の挨拶を込めて贈るものです。
ではなんとなくセットのように扱われているこの2つですが、お中元とお歳暮はどちらも贈らないとマナー違反になってしまうのでしょうか?
正解は、「マナー違反にはならない」です!
ただ、もしどちらか一方しか贈らない場合は、お歳暮だけを贈るという人が多いです。
なぜなら
・お中元は半年分の感謝を込めて一年の折り返しである夏場に贈るもの
・お歳暮は一年の感謝を込めて年の終わりに贈るもの
片方だけを贈ろうと考えた場合は、一年の感謝と「来年もよろしくお願いします」という意味合いが込められたお歳暮の方を選ぶのが自然な流れと言えますよね。
ですので、もしあなたが誰かにお中元もしくはお歳暮を贈りたいけど両方贈るのはちょっと大変と感じている場合は、お歳暮だけを贈るようにしましょう。
まとめ
お中元は古き良き日本の習慣ですが、若い人にとっては少しめんどくさいと感じる風習ともいえるでしょう。
ですがひとりの大人として幅広い世代の人と上手に付き合って行くには、古き日本の伝統習慣について知っておいて損はありません。
あなたの社会生活にこの記事がお役に立つことを願っております。
コメント