子どもの夏休み中にカブトムシをつがいで飼い始めたご家庭では、そろそろメスが産卵して幼虫が生まれる頃でしょう。
カブトムシの卵も幼虫も初めて見るお母さんは、これからどうしたものかと頭を悩ませているのでは?
ここではそんなママのために、カブトムシ飼育歴3年の主婦がカブトムシの幼虫の飼育方法をお教えしています。
幼虫がちょっと苦手という方のために幼虫の写真は載せていませんので、安心して読み進めてください。
今カブトムシの卵を発見した段階の方は 『カブトムシが卵を産んだらどうする?|孵化させる方法と育て方』 から読み進めてくださいね。
カブトムシの幼虫の飼育方法
ここから、カブトムシの幼虫が卵から孵化した後の飼育方法について説明していきます。
尚こちらのページでは、国産のカブトムシの幼虫を普通に育てる方法をご紹介しています。
外国産のカブトムシや、高価なマットを使って特別大きな個体に育てたいとかいう場合は、より専門的なサイトをお探しください。
ではまず、カブトムシの幼虫は一体何を食べて成長するか知っていますか?
答えはマット(土)です!
カブトムシの幼虫は生まれてから次の夏前に蛹になるまで、もりもりマットを食べて成長します。
ですのでカブトムシの幼虫を育てる中で行う世話は
・幼虫が食べて少なくなったマットの補充
・幼虫のフンの除去
のためにマット交換することがメインです。
といっても、秋と春に1回ずつくらい行えば十分なので、そんな手間ではありません。
それ以外の世話といえば、マットの表面が乾燥してきたら霧吹きで加水するくらいです。
飼育容器の大きさとマットの量が十分であれば、幼虫時代のほとんどの期間は放置していても大丈夫なんです。
マット交換の時期
カブトムシの幼虫はほとんど放置でも育つと言いましたが、定期的なマットの交換は必要です。
具体的に、私が行っているマット交換のスケジュールをご紹介します。
7~8月:カブトムシが産卵 → 卵を別の飼育ケースに移す
9~10月頃:1回目のマット交換
11月~翌年3月:冬の間は幼虫の活動も低下しエサをあまり食べない。この時期はマット交換は不要
4~5月初旬:2回目のマット交換(GW頃までに行ったほうが良い)
6月:幼虫が蛹室を作り蛹になる時期。蛹室を壊してしまわないようにマット交換は厳禁。
7月:カブトムシが羽化して、土の中から出てくる
上記は私が行っているスケジュールですが、飼育ケースの大きさやケース内の幼虫の数によって、適切なマット交換の時期は変わってきます。
マット交換の目安としては、マット表面にカブトムシのフン(小さくて黒い楕円形のペレット状の塊)が目立ってきたり、マットの量が明らかに減ってきた時などです。
これらの状態のときは、その都度マット交換をしてあげてください。
冬の間と5月後半~6月の時期は、マット交換はしないでくださいね。
活動が低下している冬にマット交換すると幼虫が弱ってしまう場合がありますし、既に蛹室が作られている可能性のある初夏のマット交換は厳禁です。
マット交換の手順
マットを交換する際は、フンを除去した古いマットと新しいマットを混ぜることが重要です。
全て新しいマットにすると、環境が急に変わって幼虫が嫌がる場合があります。
まずは飼育ケース内のマットを広げ、幼虫を別の容器に一時避難させておきます。
次にマットをふるいにかけて、カブトムシのフンを除去します。
フンを除去したマットと新しいマットを混ぜて、加水します。
マットの水分調整の目安は、ギュッと握って形が残るくらいの水分量がベストです。
水分調整が済んだら、マットを飼育ケース内に戻しましょう。
マットを詰め終わったら、一時避難させていた幼虫をマットの上に置いてあげてください。
あっという間に、マットの中へ潜っていきます。
これで、カブトムシの幼虫のマット交換は完了です。
カブトムシの幼虫飼育に必要なもの
カブトムシの幼虫の飼育方法を把握したところで、次は飼育に必要なものを確認していきましょう。
●飼育ケース
基本的には、成虫を飼育していたときに使用していたケースを使えばいいです。
ただ飼育する幼虫の数が多い場合は、複数のケースに分けて飼育したり、衣装ケースを使って飼育した方がいいです。
一つのケース内に幼虫が過密状態になると、お互いに傷つけてしまったり、幼虫が土の上に出てきてしまう原因になります。
また過密状態だとエサも不足するため、幼虫が大きく育ちません。
カブトムシの成虫の大きさは幼虫時代にどれだけ大きくなったかで決まるので、大きな成虫に育てたい場合は飼育ケースの大きさにも余裕を持たせましょう。
飼育ケースの大きさと幼虫の数については、次の章に更に詳しい記述をしてあります。
●マット
カブトムシの幼虫用として売られている醗酵マットを使用します。
カブトムシを特別大きく育てたい場合などは、栄養豊富な高価なマットを専門店などで購入した方が良いようです。
普通に育てる分には、安価な発酵マットで十分です。
マットは、ホームセンターのペットコーナーなどで販売されています。
普通の醗酵マットでもエサの量が十分であれば、そこそこ大きいカブトムシに育ちますよ。
夏場はカブトムシ用品が多く出回っていますが、秋や春にはお店でマットが売られていない可能性もあります。
夏のうちに買い貯めておくか、ネットでなら一年中手に入りますよ。
|
●ふるい
マット交換の際に、フンを除去するのに使います。
●霧吹き
飼育中にマットが乾燥してきたら、霧吹きで加水します。
カブトムシの幼虫飼育で注意すること
定期的なマット交換以外には基本的に放置でいいカブトムシの幼虫飼育ですが、いくつかの注意点とコツがあります。
以下の項目を事前に知っておくと、幼虫飼育がスムーズにいきますよ。
幼虫飼育の場所と温度
幼虫の飼育ケースを置いておく場所は、直射日光の当たらない風通しの良い場所にしましょう。
我が家では、玄関の土間に置いています。
飼育に衣装ケースを使用していたりケースの数が多いときは、屋外に置く場合もあるでしょう。
屋外に飼育ケースを置く場合は、雨が降り込まないような場所にしてください。
飼育ケースに雨が降り込んでビショビショになると、幼虫が酸欠になってしまうこともありますからね。
また幼虫飼育中の温度は、30度以上の高温やマイナスの環境は避けましょう。
屋外に飼育ケースを置いている場合は、冬場だけ飼育ケースを屋内に入れたり、飼育ケースを発泡スチロールで囲ったりして、幼虫が凍死しないようにしてあげてください。
飼育ケースの大きさと幼虫の数
前述しましたが、同じ飼育ケース内に幼虫が多くなりすぎると
・幼虫がお互いの体を傷つけてしまう
・エサが足りなくて大きく成長できない
・幼虫が土の上に出てきて弱ってしまう
・エサの消費とフンが増えるのが早くて、マット交換の手間が増える
などの不具合が生じてきます。
『カブトムシの幼虫はケースに何匹入れるのが良い?容器の大きさと土の量について 』
を参考にして、飼育ケース内の幼虫の数が多くなりすぎないように気をつけてくださいね。
コバエ対策
カブトムシ飼育においてよくあるお悩みが、コバエの大量発生です。
幼虫飼育中にコバエが発生しないように、飼育ケースと蓋の間には新聞紙を挟んでおきましょう。
土の保湿にもなりますし、コバエの侵入を防いでくれます。
コバエが発生してしまった場合の対策や予防法については
『カブトムシのケースにコバエが大量発生したときの駆除と対策について』
が参考になります。
幼虫が土の上に出てくる
カブトムシの幼虫を飼っていると、幼虫が土の上に出てきてしまうという事態が少なからず起こります。
しばらくして自力で潜ってくれれば良いのですが、ずっと土の上に出たままだと乾燥して弱っていきます。
ですので土の上に出てきたカブトムシの幼虫がしばらくしても潜っていかない場合は、幼虫が土の上に出てきてしまう原因を取り除いてあげる必要があります。
多くの場合は、マット交換のあとに土内の環境が変化したことで、幼虫が土の上に出てきてしまいます。
カブトムシの幼虫が土の上に出てきてしまう事態を予防するためには
『カブトムシの幼虫が土の上に出てくる時の対処法を分かりやすくご紹介 』
を一度読んでおくと、後々役に立ちますよ。
まとめ
初めてカブトムシの幼虫を飼育する人のために、基本的な世話の仕方をまとめました。
幼虫の世話は難しいものではないので、ママは監督係で実際のお世話の作業は子どもにやらせるのもいいでしょう。
自分で世話した幼虫が無事に成虫へ育ったら、子どもも感動するでしょうね!
コメント