カブトムシの幼虫を飼育していると、なぜか幼虫が土の上に出てきてしまうことがあります。
土の上に出てきた幼虫がなかなか潜らないと、このまま弱ってしまうのでは?と不安になりますよね。
私は子どもと一緒にカブトムシ飼育をしているので、
「子どもが成長を楽しみにしているカブトムシの幼虫がこのまま死んでしまったらどうしよう(汗)」
と、初心者の頃はかなり焦りました。
ですがそこで正しい対処をすることで、それから毎年無事に成虫を羽化させています。
そんな経験を活かして、このページではカブトムシの幼虫が土の上に出てきてしまう時の対処法を、初心者の方でも分かりやすく説明しています。
カブトムシの幼虫が土の上に出てきた時はどうする?
カブトムシの幼虫が土の上に出てきているのを発見したら、まずはしばらく様子を見ましょう。
幼虫が土の上に出てくる原因はいくつか考えられますが、幼虫が自分でまた土に潜ろうとしているなら、しばらくは様子見で大丈夫です。
マット交換直後などは土内の環境が変わるせいか、幼虫が土から出たり入ったりを繰り返したりすることもありますからね。
幼虫が土の上に出てきている時に一番やってはいけないことは、必要以上に触ったりすることです。
土の中に潜らせようとつついたり、様子を見るために手に取ったりすると、幼虫の体が傷ついたり体温の熱で弱ったりします。
ですのでまずは、幼虫が自力でまた土に潜ろうとしているかどうかをじっくり観察しましょう。
その上で幼虫が土に潜る様子が見られない場合は、対策が必要です。
土の上に出たまま1日以上経過すると、幼虫の体が乾燥などで弱ってきて死んでしまうこともありますからね。
それでは、幼虫が土の上に出てきてしまう原因と対処法を説明していきます。
カブトムシの幼虫が土の上に出てきてしまう原因と対処法
カブトムシの幼虫が土の上に出てくるということは、土の中の居心地が悪いということです。
土の中の居心地が悪い原因は、以下のようなことが考えられます。
マットが汚れていたり合わない
カブトムシの幼虫は食欲旺盛で、マットをどんどん食べてフンをします。
土中にフンが多くなってくると、食べられるマットの量が減ってきますよね。
エサ不足になった幼虫はエサを求めて、土の上に出てきます。
明らかにマットの表面がフンだらけの時は、すぐにマット交換をしてエサを補充してあげてください。
またマット交換の際に全部新しい土に変えてしまうと、土の環境変化が合わなくて、これまた幼虫が土の上に出てくる原因になります。
なのでマット交換するときは、フンを除去した古いマットと新しいマットを混ぜて使ってくださいね。
マットの再発酵
幼虫の飼育には醗酵マットが適していますが、ガス抜きを怠ると再発酵して発熱したりガスが発生したりします。
土が熱かったり変なガスが充満していれば幼虫にとっては居心地が悪く、土の上に避難してくるのです。
マットの再発酵は、マット交換のすぐ後に起こりやすい現象です。
マット交換の後に飼育している幼虫の多くが土の上に出てきてしまう場合は、マットの再発酵が原因の可能性大です。
ですのですぐに、マットのガス抜きをしてあげましょう。
マットのガス抜きの方法は、広げた新聞紙などの上にマットを広げて、1日~数日程度のあいだ陰干ししましょう。
発酵臭がなくなり山の土のような匂いになればOKです。
その後マットを加水して飼育ケースに戻し、2~3日そのままにしておきます。
その間にマットが発熱しなければ、ガス抜き作業の完了です。
もしマットが発熱した場合は、ガス抜きの最初の工程からやり直してくださいね。
マットの水分量が適していない
マットの水分量が多すぎたり乾燥したりしても、幼虫にとって居心地が悪くなります。
マットの水分量が多すぎると幼虫が呼吸できずに酸欠状態になります。
逆に水分量が少なすぎると、幼虫の体の表面が乾燥してしまいます。
そのため居心地の良い場所を求めて、土の上まで出てきてしまうのです。
土の湿り具合は、手でギュッと握って土が団子状に固まるくらいです。
この際に指のすき間から水がしたたってくる場合は、加水のし過ぎです。
参考に、ちょうど良い具合に加水されたマットの写真を載せておきますね。
幼虫が過密状態になっている
一つの飼育ケース内で複数匹を飼育している場合、同じケース内の幼虫が多すぎて土の上に出てきてしまうことがあります。
幼虫が過密状態だとエサが不足したりして、居心地が悪くなるんですね。
なので一つのケースで複数飼育している場合は
『カブトムシの幼虫はケースに何匹入れるのが良い?容器の大きさと土の量について』
を参考にして、適正な数にケースを分けてあげてください。
カブトムシの幼虫が土の上に出てきてなかなか土に潜らない場合は、何かしらマットに問題があることが多いです。
マットを適当な状態に調整するのは手間がかかりますが、幼虫の命に関わることなので良い環境を整えてあげましょう。
カブトムシの幼虫が土の上に出てきて動かない場合
土の上に出てきたカブトムシの幼虫が、ほとんど動かずじっとしている場合があります。
前述したマットの不具合で土の上に出てきたまま弱ってしまった可能性もありますが、それ以外にも次のような原因が考えられます。
病気に感染している
マットの上で動かず弱っている幼虫は、何かの病気に感染している場合があります。
その場合は残念ながら、治療する方法はありません。
もし同じ飼育ケース内で複数飼育している場合は、その病気が他の幼虫にも感染してしまいます。
土の上に出てきた幼虫に病気の疑いがある場合は、まずは隔離して他の幼虫に感染が広がらないようにしましょう。
放っておくと飼育ケース内の幼虫が全滅することもあるので、ご注意ください。
蛹室を作れなかった
6月頃に幼虫が土の上に出てきて動かなくなってしまった場合は、その幼虫が土の中で蛹室(蛹になるための部屋)を作れなかったということです。
マットが過度に乾燥していたりマットの深さが足りない、ケース内に幼虫が過密状態で蛹室を作るスペースが足りない場合に、幼虫が土の上まで出てきてしまうのです。
まだ自力で土に潜っていけるならいいですが、前蛹という状態になってしまっている幼虫は、もう土に潜って蛹室を作る力は残っていません。
前蛹になっている場合
・体の色が茶色っぽくなっている
・体に張りが無く、シワシワになってきている
・体が真っ直ぐになっている(Iの字のような状態)
・土の上でほとんど動かない
という状態になっています。
そのままにしておくと土の上で蛹になりますが、蛹を土の上に放置しておくと上手く羽化できずに羽化不全を起こします。
羽化不全を起こすと脚や羽が奇形になってしまうので、人工的に作った蛹室に移してあげる必要があります。
人工蛹室の作り方は
『カブトムシの幼虫が蛹に土の上でなったり、蛹室を壊した場合の対処法』
で詳しくまとめているので、参考にしてくださいね。
まとめ
カブトムシの幼虫が土の上に出てきてしまう場合の原因と対処法について、ご紹介しました。
幼虫が土の上に出てきた場合は変に刺激せず様子をしばらく見て、自力で土に潜る様子がないならマットの不具合を疑いましょう。
次の夏に無事に成虫になったカブトムシを会えるように、幼虫にとって居心地の良い土を整えてあげてくださいね。
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